HeDis's Neta

ネタ日記やSSなど

人として避けようもないノンフィクション

自転車をこぎながら山へ向かう。 

木漏れ日がアスファルトを斑模様に照らし、斑模様は風で揺らめく。

雨上がり。

汗をかいているアジサイ

もう少しでヒマワリが咲く季節になる。

 

僕は授業が終わると、カバンを担ぎ急いで自転車に乗り、いつものあの山へと向かう。

幼なじみのT子は、もう既に山へと着いている頃だろう。「幼なじみ」というか「腐れ縁」というか、「呪縛」というか。僕は昼休み時間に、教室でよくボール投げをしたり鬼ごっこをしている。 

そんな感じで、とにかく教室を動き回るんだけど、なぜか僕の机の位置が微妙に変わっていて、そのおかげで僕は机にスネをよくぶつける。

T子はそんな僕を見て爆笑していた。「お前がやったんだろう!」というと、T子は「たまたまでしょ」と笑いながら言う。

 

うん、やっぱり T子とは「呪縛」めいた関係なんだと思う。そんなことを考えながら、肩で息をしながら急な坂を上り、いつもの場所へと着いた。

 

「遅いぞぉー。いま何時だと思ってんの。カップラーメンが10個できあがる時間を超えてるじゃない。なんでそんなに遅刻するのよ」と、呆れたようにT子が出迎える。

 

「いやぁ、それは…。」

「なによ?」

「相手が、まさかの第3形態目の変身をしまして」

「あんた誰と闘っていたのよ 笑。鼻毛増え過ぎて窒息して死ねば良かったのに 笑。」

「なにその素敵なやられかた 笑。」

 

T子は男勝りで、そんな性格のおかげで気楽に付き合えた。たぶんお互いそんな気持ちなのだろう。

 

「そういえば、新しい必殺技を考えたわよ。」

「えっ、必殺技?」

「そう、必殺技。ほら、山って危ないし、あんた弱すぎるじゃん。私が仕組んだ絶妙な机のポジショニングでスネを…。」

「スネを…。ふ~ん。」

「よく机を倒して中身をぶちまけたりしなかったわね」

「そんな強打したら死ぬって 笑。ってか、やっぱりあれはお前が」

「そんなことより必殺技を考えたの。行くわよ。見てなさい。」

 

「T子ビーーーーム!」と、T子はおもむろに懐からレーザーポインターを取り出し点灯させた。そして僕の目に当てつける。鋭く赤い光の線が、僕の目に直撃する。

 

「うわ、やめろ!眩しい!」

「へへん。すごいでしょ」

「いや、全然」と、僕は思う。というか、レーザーポインターを目に当てるって、下手したら失明するじゃないか。でも、そんなことを言ってもつまらないので、僕はそれにのっかる。

 

「甘いな。僕はそれよりすごいのができるよ。『T子ビームのバージョンアップ版』というところかな」 

「へ~。じゃあ、やってみなさいよ。」とT子が言ったので、僕はニヤっとしながら、その銀色をしたレーザーポインターを受け取った。

 

「ミラクルT子ビーーーーム!」

 

と、言いながら僕はT子にレーザーポインターを当てる。そして僕は、すかさず技の解説を始めた。

 

「解説しよう!『ミラクルT子ビーーーーム!』とは、レーザーポインターで相手の目をくらますと同時に、スイッチのON・OFFを繰り返すことによって、自分の親指が全治3週間の腱鞘炎を起こす!そしてさらに!レーザーポインターを持っている手が、極度の金属アレルギーを引き起こしてしまうという、諸刃の技なのだ!」

 

「自爆系かよ!笑」 

「さすがT子 笑。今日も良いツッコミだね 笑」

「おかげさまで 笑」

 

T子は「あと、こんな感じでやるのも良いんじゃない」と、言いながらレーザーポインターを振りながらチカチカと光らした。

 

「どういう意味?」

「『またね』という意味よ。こんな感じで合図を考えるのも良いなと思ってね」

「ふ~ん。面白そうだね。二人でいろんな必殺技や合図を考えようよ。必殺技は本当に使えるやつをさ。で、その技で魚を釣ったり、セミを捕ったりしようよ。あっ、あと必殺技を考える場所が必要だよね。うん、秘密基地も作らないとな。なんか懐かしいな~。小学校3年生の時はよく作って遊んだりしてたな~。なっ、そんな感じで計画立てようぜ!」

 「…うん。やりたいやりたい!」

 

遠くからせわしく草花が揺れ、段々と近づき、

それと同時に風が流れ込む。

風は会話に間を開けるように流れ込み、

そしてT子は落ち着いた表情で呟いた。

 

「必殺技か~。『必ず殺す技』で、『必殺技』だよね」

「えっ、あぁ。うん、そうだね」と、僕が言った後に、しばらく間を置いて、またT子が話し始めた。

「殺すとか殺されるとか私には全然関係のないことで、それは想像の中の物語だけだと思っていた。そう、フィクションの中だけ。もちろん悲惨な事件は、毎日この世界中で起こっているけどね。でも、そういう意味じゃなくて、私も自然の流れの中で、殺したり殺されたりするんだよね。きっとそれは、フィクションじゃなくてノンフィクションなの。人として避けようもないノンフィクションなの」

 

「フィークション!」「ふぅ。フィクションなだけに良い発音で『フィクション』とクシャミしてしまったぜ。さすがおれ、偏差値4桁なだけあるな」

 

「偏差値4桁って、どんな計算方法よ! 笑」というツッコミを期待していたけど、T子は完全に無視して話し続ける。

 

「校長先生の話しを覚えている?ほら、あの『小さな死』の話よ」

「新しく来た校長って、すごいハゲだよね~。時々挨拶でギャグを言うけど、あれ本当すべってるよね。すべるのは頭だけにしてほしいよね。で、なんだっけ?」

「もういいよ。あまり覚えていなさそうだし。あんた何かと気付かないし 笑」

「気付かないって?あっ、思い出した!机を仕組んだのはお前だろ!?」

「別に良いじゃん」

「良くねぇよ!なんでそんなことするんだよ!?」

「うるさいわねぇ…。スネを治すついでに頭も治せば?という私の粋な計らいなの!少しはありがたく思いなさいよ」

「お前のそういうところ、本当にむかつくんだよ!」

 

T子は何も言わずうつむき、どことなく悲しい表情をみせた。僕は言い過ぎたかなと思いながらも、怒鳴った勢いをどうしようもなく、ただ黙るだけだった。

 

日は朱色を深めていた。

風が吹き、草がサワサワと音を立てる。

そんな無機的な音が、気まずい時間の流れを強調する。

 

「私、このあと用があるの。早いけど帰るわ」

「あっそ。じゃあな」と、僕が言ったらT子は「うん…」と言い、山を下る道に向かった。そして僕の数メートル先で振り返り、レーザーポインターを左右に振りながらチカチカと光らした。「またね」という意味だ。「うるせぇ。早く帰れよ」と言うと、T子はもう振り返ることなく帰って行った。

 

僕はT子が帰ると山肌に寝っ転がり、ため息をついた。なんでT子はあんなことをしたんだろう。考えても考えても分からない。ネットリとした、そしてものすごく気持ちの悪い黒ずんだオイルが、僕の心臓にまとわりつく。

 

もう一度、深くため息をつく。

 

まぁ、いいや。そんなことは明日T子から聞こう。ついでに言い過ぎたから謝ろう。これから帰ったら必殺技を考えて、秘密基地の計画も立てて…。あと、僕もレーザーポインターを買わなきゃな。

 

山を下る頃には、辺りはすっかり暗くなっていた。

さっきまで煩わしく感じていた虫の音が、今は涼しさを際立たせている。

虫の音色をまといながら、風は流れていた。

 

-------------------------

 

 今日はいつもより早く起きた。今日は必殺技と秘密基地の計画を、T子と学校で練らないとな。僕は昨日の夜に、その計画をノートに書き留めていた。ノートとレーザーポインターをカバンにしまい、自転車に乗って学校に向かった。

 

「おはよー。新しい朝!希望の朝!喜びに胸を開き、大空をあおぎたい今日この頃!いかがお過ごしでしょうかー?」と、ハイテンション気味に教室に入る。クラスから「ラジオ体操かよ」と、ドッと笑いが沸き起こる。

 まだT子は学校に来ていないようだ。さっさと仲直りして、一緒に計画を立てたいんだけどな。と、そんなことを考えながら、ノートに秘密基地の設計図を書き込む。

6年生なんだから、3年生が作るようなものじゃだめだ。他の友達が見ても「すげぇー」というやつを作ってやろう。

しばらくノートに図を書いていると、先生が廊下からやってきて「はーい、じゃあ席について~。出席確認するぞー。」と、いつものセリフを良いながら教室に入ってきた。T子はまだ来ていない。

「会田、相場、牛越」と、先生はテンポよく出席を取る。そして算数、理科、社会、体育、国語の授業をこなし、いつも通り授業が終わった。

 

いつも授業が終わると、山に直行している。だけど今日はT子が来ていないから、山に行っても遊ぶ相手がいない。「今日は何をして遊ぼうかなぁ」と席に座りボーッと考えていたら、友達が教室に入ってきて話しかけてきた。

 

「校庭でサッカーやろうぜー」

 

どうせ今日は山に行っても暇をするだけだ。

 

「おー、いいぜいいぜー。どうせ今日は暇だし」 

「おっ、本当か。サンキュー助かるよ。お前ポジションどこがいい?」

「じゃあ、僕はドクターストップをかけられているけど、そんなの気にせず試合出ちゃうエースストライカーのポジションで」

「どんなポジションだよ 笑」 

「じゃあ、オランダ代表で」

「国籍変えるのかよ 笑」

「じゃあ、1丁目の3番地代表で」

「範囲狭すぎだろ 笑」

「冗談だよ冗談。先に行ってて。まだ帰る準備していないから」

「よしっ、じゃあポジション決めて早く来いよ!校庭で待ってるからな!」

 

友達はそう言うと、走って校庭に向かって行った。僕は机から宿題で必要な教科書だけを抜き取り、カバンの中に詰め込む。校庭ではみんなが待っていて、チーム作りをしているところだろう。僕は急いでカバンを背負おうとした。その瞬間、カバンが机の足にひっかかり机が倒れ、机の中の物は全て撒き散らされた。

 

「うわっ、最悪…」と、独り言を言いながら机を立て直し、教科書や定規などを机の中に入れる。

机の中にあった物を元に戻していると、見かけない封筒があった。封筒には可愛いらしいアジサイとヒマワリのイラストが描かれてる。しかも手書き。だけど結構上手く描かれている。梅雨と夏の間の時期だから、このイラストなのかな。「なんだろ、これ」と思いながら封筒開け、手紙を取り出す。

 

手紙を一行読んだ瞬間、僕は頭の中が真っ白になり職員室に駆け込んだ。

 

「先生!なんで今日T子は学校休んだの!?」

「あぁ、T子は家庭の事情で転校したんだよ。確か今日の19時の便とか言っていたなぁ。今日までは学校に来ると聞いていたんだどな。いろいろ準備があって忙しかったんだろう。転校先はカナダだからな。先生も今日転校のことを伝えようと思っていたんだが」

 

先生の声が遠のき僕の心の声が頭を駆け巡る。聞いてない聞いてない聞いてない聞いていない聞いていない聞いていない。そんなこと全然聞いていない。

 

魚を釣るって言ったじゃないか。

セミを捕るって言ったじゃないか。

秘密基地を作るって言ったじゃないか。

「またね」って合図したじゃないか。

 

 別れる時くらい、ちゃんと挨拶して行けよ。

しかもカナダって、最後の別れになるかもしれないじゃないか。

 

T子が急にいなくなった。

T子が急に死んじゃったような錯覚に陥った。

 

 「T子が死んだ」

 

「死」という言葉に、僕の頭の中はめまぐるしく反応した。

 

頭の中の古い歯車が動き出す。

歯車はガタコトと音を立て、独りでに動き出す。

歯車が思い出を引っ張り出す。

 

-------------------------

 

去年の卒業式。僕はまだ5年生。

式台に校長先生が立って話し始める。

 

 

「卒業というのは、ある意味『別れ』を意味します。

皆さんが今まで別れた人の中で、それきり会っていない人はどれほどいるでしょうか。

恐らく生涯会うことがない人もいるのではないでしょうか。

そう、『別れ』は『小さな死』なのです。」

 

-------------------------

 

一瞬だけの歯車の稼働。

でも、それは的確に僕の心を揺さぶった。

 

T子が言っていた「校長の話」は、これだったんだ。

机を倒させるようにしたのは、この手紙があったからなんだ。

 

手紙くらい普通に渡せよな。

「私も自然の流れの中で、殺したり殺されたりする」って…馬鹿野郎。

僕がT子を殺すわけないじゃないか…。「小さな死」なんて迎えさせるわけないじゃないか…。

 

だけど考えてみたら、僕はT子の電話番号もパソコンのメールアドレスも知らない。いつも会うし一緒によく遊ぶから、何かあればその時に伝えることができる。だから今まで連絡に困ったことはなかったのだ。

 

結局、僕はT子が言った「人として避けようもないノンフィクション」を受け入れざるを得ない。それを拒絶したがるように、脳はフル稼働する。

 

19時の便…。

空港までは少し遠い。

親の帰りを待って、車で送ってもらうと間に合わない。

電車賃も足りない。

自転車を全力でこいで行けば、およそ3時間。

ギリギリ間に合う。

上手く行けば、ロビーでT子に会えるかもしれない。

 

僕はサッカーの誘いを無視して、自転車にまたがり、全力でペダルをこぎ始めた。

 

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辺りはもう暗く、滑走路の点滅が煌めいている。

シートはお世辞にも座り心地が良いとは言えないわね。

ぐっすり眠れるか心配だわ。

 

初めての転校が海外。

嬉しいような寂しいような。

そしてそれ以上に後悔が残る転校。

 

「皆様、この飛行機は間もなく離陸いたします。シートベルトをもう一度お確かめ下さい」と、無機的なアナウンスが流れる。

 

私はなんであんなことを言ってしまったんだろう。

私はなんで素直に手紙を渡せなかったんだろう。

私はなんてバカなんだろう。

 

事故を装って机が倒れるようにそむけた事に、後悔と自分の小ささを感じた。そんな考えが頭の中をぐるぐると駆けずり回り、目はネガティブな潤いに浸される。

 

「ねぇ、お母さん。『別れ』ってなんだろうね」

「別れ?あぁ、そういえば今日が最後の学校だったわよね。あなたが『今日までは学校に行きたい』って言っていたから、無理して飛行機の便を遅らせたのに…。学校に行かなくて良かったの?」

「うん、別に良いよ。私バカだから。本当にバカだから」と、声にならない声で言う。

 

私のバカ。最後の最後ぐらい素直になれば良かった。

アイツのバカ。最後ぐらい笑顔で別れさせてやってよ。

そんなことを思えば思うほど、また目は残念な潤いに浸される。

そして目の前がすりガラス越しの世界になる。

 

 ふと窓を見ると、滑走路の点滅は滲み、飛行機の羽根に着いてる赤いライトは、滲みながら左右に揺れている。

 

「左右に揺れている?」

 

飛行機の羽のライトは左右には揺れない。よく見ると、それは飛行機のライトじゃなくて、空港のロビーからの光だった。そしてそれは、左右に振れながらチカチカと光っている。

 

「お母さん!ちょっとどいて!荷物入れから私のバッグを取るから!」

 

「えっ、もう離陸するのよ」という母の声を無視してシートベルトを外す。フライト・アテンダントは何か言っていたけど、そんなのはどうでもいい。私はバッグを取り出し、元の席に座った。 

私は急いでレーザーポインターをバッグの中から探す。いつものポケットの中に入れたと思っていたのに、全然見つからない。飛行機の鼓動は徐々に強くなり、唸るように加速していく。

カバンの中身を全部引っ張り出すと、それはカバンの一番奥底にあった。急いで取り出し、スイッチのON・OFFを繰り返し、左右に振る。何度も何度も、腱鞘炎になりそうなほど「またね」の合図をする。

合図を送っているはずなのに、目の前はモザイクがかかったようにグシャグシャで何も見えない。

 

「ちょっとT子!どうしたの?」

「うん、私やっぱバカだよ。」

 

離陸して空港が見えなくなるまで、何度も何度も光を左右に揺らし点滅させた。

ロビーの光も、ずっとずっと左右に揺れながら光っていた。

 

-------------------------

 

結局ロビーでT子に会うことはできなかった。

離陸間際の飛行機の窓に、左右に振れる光。

僕はそれを見ることができた。 

それがT子の合図なのか分からない。

それでも、僕はずっと合図を止めなかった。

飛行機が見えなくなっても、ずっと止めなかった。

「小さな死」を、少しでも光の点滅で繋ぎ止めたかった。

 

山で最後にT子がやった「またね」の合図。

あの時に返せなかった合図を、僕はちゃんと返せたのかな。

目頭が少し熱くなる。

僕はまた自転車に乗り、家に向かった。

あまりに遅い帰りだったので、お母さんにこっぴどく叱られた。

そんな言葉を横に流し、僕は部屋に入る。

そして封筒から手紙を取り出し、ゆっくりと読み返す。

 

「スネを痛めた君へ

 

私はカナダに行くことになりました。きっと街へ出ると日本語は通じないし、学校の勉強について行くのも大変だと思います。

あと教室に絶妙なポジショニングを取れる机がないのも残念です(笑)。

今だから言えるけど、机を微妙に変えてぶつかるようにしていました。ごめんなさい。

私の「必殺技」を伝授してあげたということにしておいてね(笑)。きっとあの山で使えると思います」

  

いや、絶対使えねーよ。

使うシチュエーションを想像できるあんたはすげぇーよ。

と、思いながら、僕はまた手紙を読み続ける。 

 

「追伸」

 

って、もう追伸かよ。はぇーよ。

というか今のが本題かよ。

と思いながら、追伸に目を向ける。 

 

「最後に山でいろんなことを約束しておきながら、急に転校しちゃってごめんなさい。楽しんでいるときに転校の話しは言いにくかったし、私も必殺技を考えたり魚を釣ったりセミを捕まえたり、秘密基地を作りたいって気持ちがあったんだよ。ほんとにね。だから無理って分かっていても、無理って言いたくなかったし、無理って思いたくなかった。また同じように明日が来たならって。

だから私が日本に帰ってきたら、『明日』の続きをしようよ。私が日本に帰ってくるのがいつになるか分からない。だけど、それが30歳だとしても 40歳だとしても100歳だとしても遊べる気がする。ほら、分かると思うけど、私はバカなことを本気でやるのが好きだから(笑)」

 

T子と僕がやっていたのはバカなことだったのか(笑)。

…うん、でも確かにそうだ。僕も一緒にバカをやれるT子と遊ぶのが楽しかった。

 

「最後に、あの山で言いそびれたことがあるんだ。転校が決まったときから、ずっと言いたかったこと。 

私はあなたを自然の流れの中で殺したりはしません。だから私の中であなたが「小さな死」を迎えることはありません。

だからあなたも、私を自然の流れの中で殺し、「小さな死」を迎えさせるようなことはしないでね。心がつながっていれば「小さな死」は訪れないと思うから。

じゃあ、これで本当に最後。私の連絡先を記載しておきます。いつでも連絡してね。」

 

転校前日の事が書かれている。T子が山で「用がある」と言い、さっさと帰った理由は手紙を書き直すためだったんだ。

 

手紙の最後には、住所と電話番号とメールアドレスが記載されていた。

  

手紙の中には普段の印象とは全く違うT子がいた。

そして普段のT子と接する気持ちとは全然違う気持ちの僕がいた。

 

 

 

自然の流れ。

無意識の流れ。

そんな流れの中で

「小さな死」は

少しずつ少しずつ広がっている。

その人を生かすか殺すかは

その人次第なんだ。

 

頭の中の歯車が動き出す。

 

「私も自然の流れの中で、殺したり殺されたりするんだよね。きっとそれはフィクションじゃなくてノンフィクションなの。人として避けようもないノンフィクションなの」

 

 机の引き出しから鉛筆を取り出し、返事を書く。

「小さな死」という「人として避けようもないノンフィクション」。 

それを「フィクション」に変えるために。

 

 

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タカシとお父さん

【登場人物】 
・タカシ(推定年齢 18歳) 
・タカシの父(推定年齢 不詳)


父「ふぅ。今日も疲れたな。確かタカシのやつ、おれに重要な話しがあるって言ってたな。あいつも難しい年頃だからな~。変な相談じゃなければ良いけど…。」

父「ただいま~。」

タカシ「あっ、お父さん。おかえりー。で、さっそく聞いてほしい事があるんだけど?」

父「おぉ、なんだなんだ?お父さんならいつでも相談に乗らざるをエナリだぞ。」

タカシ「(エナリっ!?誰だよ…。)うん、まあ自分の進路のことなんだけど…。」

父「あ~、進路か。じゃあ一昨日きやがれ。」

タカシ「一昨日!?ムリムリムリ!!って言うか、相談なら乗らざるをエナリじゃなかったの!?」

父「タカシ。・・・・エナリって誰だ?」

タカシ「(知るか…。)」

父「お前、エナリって…カズキのことかっ!?」

タカシ「違うって。」

父「なーにとりあえず否定してんだコノヤロウ。お父さんはな~。お前の相談以外は絶対否定しないんだぞ!!」

タカシ「そこを否定すんなよ!!」

父「何をぉ~」

タカシ「あ~、はいはい。エナリ君をお父さんに紹介するから、相談にのってくれる?(嘘)」


父「そっか~。それならなら乗らざるをエナリだな♪」

タカシ「・・・(ぬっころすぞ)うん。で、進路のことなんだけど」

父「うんうん。」

タカシ「おれ、俳優になりたいんだ。」

父「俳優~!?どーしても俳優なのか?」

タカシ「うん。」

父「・・・。男優じゃ、ダメか?男優の加藤さんは凄いらしいぞ?」

タカシ「ダメだよ!!全力でダメだよ!!」

父「そうか~。お父さんはな、タカシが本気で俳優目指すって言うなら否定はしない。むしろ協力するよ。」

タカシ「本当?」 

父「うん。本当だ。実はな~。お父さんも俳優になりたかったんだ。」

タカシ「へっ?そうだったの?」

父「でもな、お父さんはその夢諦めたんだよ。」

タカシ「えっ、なんで?」

父「お前ができたからだ。」

タカシ「(おれのせいですかー!?)え、あ、ごめん。」


父「ハハハハ。謝ることないんだよ♪お前はただ流行に敏感だったんだ。」

タカシ「(できちゃった婚か・・・。)うん。分かった。じゃあおれ、お父さんの分まで頑張るよ!」

父「そうか。じゃあお父さんの分まで頑張れよ。」

タカシ「分かった!いや~。こんなにお父さんが協力的だとは思わなかったな~。実はもう劇団を作ってて、演劇することになったんだ。で、おれはパトリオットを演じるよ。」

父「おっ、そうか。さすがタカシ♪男優も夢じゃないな♪」

タカシ「まだそここだわんの!?うん。まぁ、パトリオットは準主役って感じだけど、次の舞台は主役の座を手にしてみせるよ。」

父「そうか。頑張れよ。」 

・・・。

父「で、タカシ。」

タカシ「えっ、何?」

父「おれは何の役だ?」

タカシ「あんた出ねぇよ。」

OYABAN 1--おやじバンドやろうぜ

OYABAN 1--おやじバンドやろうぜ

バミューダ島とドラえもんと僕。

バミューダ島から帰ってきました。

 

一応バミューダ島上空まで

行ったのですが、

家のガスの元栓が気になったので、

また引き返してきました。

 

あと、もう一つ理由があります。

 

 

 

(バミューダ島上空にて)

 

ん?雲の中に何やら不思議な

物体が見える…

 

 

青い…

 

 

 

ロボか…

 

 

 

 

頭に竹とんぼらしき物体…

 

 

 

 

 

 

 

あれは…ドラえもん…か

 

 

 

ドラえもんがタケコプターで

バミューダ島上空を飛んでる…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、ポケットに手を突っ込んでる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

うわっ、ポケットからめっちゃ砂が出てきた…。

 

 

 

なんでそんな土のグランドで

思いっ切り体育の授業を受けた後

みたいになっているんだろう…。

 

 

 

 

 

 

ポケットひっくり返して砂を出してるし…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、ポケットからドラ焼き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待て、そのドラ焼き

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

砂つき過ぎだろ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、こっち見た

 

 

 

 

こっちに気付いているのか…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、こっち見て笑った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ん?カンペで使うような紙に何か書いてる…。

 

 

 

 

 

なになに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「笑うと顔の半分が口になる仕様をどうにかして下さい」

 

 

 

 

知るかっ。

 

 

 

 

あっ、ドラ焼き食べ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?やっぱ砂が気になるのか?

 

 

 

 

 

 

またポケットから何やら出したぞ…。

 

 

 

 

 

 

 

おっ、あれは

 

 

 

スモールライト。

 

 

 

どら焼きについている砂を

さらに小さくして

気にならないようにするつもりか?

 

 

 

 

 

 

あっ、ライトを当てた。

 

 

 

 

砂は小さくなったかもしれないが

 

 

 

 

 

ドラ焼きも小さくなってるし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

未来型ロボットの

低クオリティにビックリだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんかドラえもん…すごいヘコんでる。

 

 

 

 

 

 

 

あっ、また何か閃いたみたいだ

 

 

 

 

 

ポケットからまた何か取り出したぞ…

 

 

 

あれは…

 

 

 

 

 

 

 

ほんやくコンニャク

 

 

 

 

 

 

 

 

 

待て、やっぱり砂つき過ぎだろ…

 

 

 

 

 

 

 

あっ、また紙に何か書いてる…。

 

 

 

 

 

なになに

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「砂つき過ぎじゃね(笑)?」

 

 

 

 

 

 

 

未来型ロボットの

低クオリティにビックリだよ。

 

 

 

 

 

 

何かこちらからメッセージを送ってみるか…

 

 

 

 

 

 

 

紙に「1+1は?」と書いて…と。

 

 

 

 

 

おっ、ドラえもんが紙に気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

おっ、考えてる考えてる。

 

 

 

 

 

 

 

って、考えるんですか!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっ、頭から煙が!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

「1+1は?」でオーバーヒート!?

 

 

 

 

 

ヤバイヤバイ…。

紙に別のこと書かないと

 

 

 

 

 

 

 

 

「考えなくていいよ」

 

 

 

 

 

 

あっ、煙が止まった。

 

 

 

 

 

またドラえもんが紙に何か書いてる

 

 

 

 

 

 

 

 

「田んぼの田でしょ(笑)?」

 

 

 

 

 

 

「1+1=」なら「田」かもしれないけど

 

 

 

 

 

 

 

 

「1+1は?」で「田」はないだろ。

 

 

 

 

 

仕方ないな

 

 

 

 

 

 

 

「そうだよ」

 

 

 

 

 

 

これを見て、

 

ドラえもんにっこり笑ってどっか行っちゃいました。

 

バミューダにはもう二度と行きません。

ドラえもん (1) (てんとう虫コミックス)

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自販機と孔明と僕。

おはようございます。

突然ですが、僕のケータイで「よみにきてください」を変換すると、「黄泉に来て下さい」となります。

なんか、ケータイにやんわりと「死んで下さい^^」と言われているような気がしてならない。
とりあえず呪い殺されるのは勘弁なので、ケータイに塩を練りこんでおきました。

塩を練りこんでも大丈夫。

僕のケータイ、防水ですし。


最近、呪いと言うほどではありませんが、最近いろいろな事件に巻き込まれるんです
最近あったのが「自販機にコインを投入しようとする度に、激しい静電気にやられます事件」とか。

もうね

静電気がガーディアンに見えましたよ。

おまえはどんだけ守護神なんだと。
その勢いでサッカー日本代表のゴールも守ってやれよと。

そう自販機に問い詰めたわけです。

そして何度も何度も静電気にやられながら、やっとの思いでコインを投入。

あぁ、これで温かいコーヒーが飲める。
と、思いながら取り出し口に手を入れました。

そしてその中から出てきたのが


温 か い コ ー ラ

自販機君、僕のために温めてくれたんだね^^



って、飲めるかー(ノ´∀`)ノ⌒┫:・.


それ、なんていう孔明の罠ですか?

7回静電気にやられた後に出てきた飲み物が


温 か い コ ー ラ



おまえはどんだけ孔明なんだよと

どんだけmade in 孔明なんだよと


そう自販機に問い詰めたいわけです。
でも温かいコーラのおかげで、自販機君の優しさに触れる事ができましけどね。

そんな人情味溢れる話でした。

過剰表現と笑いと僕。

 

こんにちは。

 

とある記事に「笑い話の常套手段の一つに、過剰に表現するというものがある」と、ありました。

 

そういえば過剰表現って、笑いを生むためによく使いますよね。

「100円になりまーす」を、あえて「100万円になりまーす」と言ったり。

 

では、文章を書く上では、どのような過剰表現の方法があるだろうか。

 

・100円を100万円というように、を増やす

・「!」など、感嘆符を使用する

「超」「ド」など、より大きさ、強さを表す言葉をつける→超高速・ド根性等・急成長

・顔文字の文字数を増やす。こんな感じ→Σ(@▽@;)→ΣΣ(@▽@;)

繰り返して言う

 

他にもあると思うけど、簡単に思いつくのはこんな感じですね。

では、僕も過剰表現で日記を書いてみたいと思います。

 

 

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皆さん、アニョハセヨ!

鎖骨の成長に著しく悩んでいるへろひさです。

 

もう、本当、鏡を見てびっくりです。

 

さ、鎖骨がーΣ(@@▽@;)

 

という感じでしたから。

皆さんも鎖骨のケアを怠らないように気をつけてくださいね。

 

最近多忙のため、日記をあまり更新していませんでしたが、心配して連絡くれた人、本当にドありがとうございます。

この地球上の600兆人の中から探しても見つかる事はないでしょう。

本当、ありがとうございます。

 

話は変わりまして。

 

先日、カラオケに行きました。

最近のカラオケのリモコンは、歌った曲の履歴などを見れますよね。

それで僕の前に入っていた人が歌っていた曲を見たんですけど、「千の風になって」を13回も歌っていたんです。

 

お前はどんだけ墓の前で泣かれそうになったんだよ。

 

小一時間ほど問い詰めたい。

卓球しながら小一時間ほど問い詰めたい。

卓球と古今東西を同時にしながら小一時間ほど問い詰めたい。

 

 

では、今日はこれで。

adidas(アディダス) 貼上げラケットSTAR AGF10410

adidas(アディダス) 貼上げラケットSTAR AGF10410

ジャンクフードと胃腸薬と僕。

僕の学校の友達にマックというあだ名の人がいた。そのあだ名がついた理由は、眉毛がつながっていて「M」に見えるから。

 

M→マクドナルド→マック

 

というわけだ。

 

その友達は何かとマックに絡めてネタにされる。

 

弁当を持ってきたら

 

「何そのバリューセット(笑)??」

 

爆笑したら

 

「えっ!?メガスマイル注文してませんよ(笑)??」

 

悪いことをしたら

 

「ドナルド連れて来い!」

 

ドナルドが保護者、もしくは責任者という設定らしい。

 

どうでも良い事を言うと

 

「ジャンクフードは黙っておれ」

 

基本的に笑って受け流すマックだが、さすがに脱マックをしたかったらしい。

そして彼はとうとう眉を剃る決意をし、眉を剃って学校に登校した。

 

 

その日からは彼のあだ名はソルマックになった。

ジャンクフードから整腸薬にレベルアーップ。

折りたたみカミソリ2本組

折りたたみカミソリ2本組

AKB48と司会と僕。

こんばんは。

最近「AKB48」と「Pak39」の区別がつかないへろひさです。

 

へ「AKB48とPak39の区別がつかない」

友達「分かる分かる。どちらもアルファベットで始まり数字で終わるからね」

へ「似てるよね!」

友達「似てる!」

へ「似すぎです!」

ピ「ピーコです!」

友達「誰だお前」

 

とか、こういうのは日常茶飯事ですからね。

5分に一回はやってる。

 

では参考までに、AKB48とPak39の画像を。

これがAKB48↓

 

f:id:HeDis:20120721203521j:plain

 

そしてこれがPak39↓

 

f:id:HeDis:20120721203645j:plain

 

 

話は変わりまして。

 

なんとこの僕が「結婚式の司会」を頼まれたのですよ。

 

学生時代、クラスの日直すら任されなかったこの僕がですよ?

学生時代、好きな言葉は「もっと食わせろ」だったこの僕がですよ?

学生時代、掃除の時間に雑巾がけをしていたら、いつの間にかフルマラソンを完走していたこの僕がですよ?

 

 

頼んだ人は、きっと自爆したかったんだと思う。

 

 

まぁ、でも任されたからには、しっかりと仕事をこなしたいわけであります。

なので、セリフを考えてみます。

 

「新郎新婦が入場して来ました。赤いバージンロードを、静かに、しかし力強く!一歩一歩踏み進んでいる。その赤いロードは、まさに二人の熱愛の色!さぁ、くるかくるか?来ました!誓いのキッスーーーー!」

 

 

誓いのキッス━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

 

 

なんかイメージするだけでもテンション上がっちゃいますね。

じゃあ、今度は

 

「さぁ、二人が握る鋭利な絆。純白のクリームは、まさに!二人の甘い未来。そして積み上げられたケーキは、まさにこらから積み上げて行く甘い人生。彼氏彼女でなく、これからは夫と妻。人生区切りの一太刀…くるかくるかくるか?キターーー!ケーキ入刀でございますーーー!」

 

 

 

入刀でございます━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!

 

 

テンションがあがってきますね。

よし!こうなったら!

 

 

寝る!

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